柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

テリー・イーグルトン『なぜマルクスは正しかったのか』河出書房新社

テリー・イーグルトン『なぜマルクスは正しかったのか』(松本潤一郎訳、河出書房新社

だが、後にマルクスは、これらの段階をことごとく入れ子状にはめ込んでゆくだろう「永続革命」を推奨するのではなく、この信念を捨てたように思われる。

われわれの中の一握りの者が原子力や環境破壊がもたらす大変動から抜けだして這い進もうとし、傷だらけの状態から再び文明を建設するという気力を挫く作業を始めたとしよう。この破局の諸原因がわれわれに分かっていたなら、そのとき、われわれは、社会主義的な方法で、この文明の再建設に挑戦するために、よき忠告をしてあげられないだろうか?