柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

季刊at(あっと)0号

あたらしい地図を描く――『at』の船出に 1

<新連載>
革命と反復 序説  柄谷行人 4
世界資本主義はいま、「新帝国主義」の段階に入った。『トランスクリティーク』以降の新展開を告げる、待望の連載、スタート!<特別インタビュー>
生き延びるための思想  上野千鶴子 19
フェミニズム社会学を常に更新する著者を、いまとらえている「問題系」は何か? この国の病理を斬る、上野節が冴えわたる!<特集>もう一つ(ルビ・オルタナティブ)の「回路」を求めて  40
あたらしい何かが、始まろうとしている。グローバリズムという怪物が、全てを流し尽くした後の、あたらしい「希望の回路」を求める試みが。市民の非営利バンク、音楽、映画、民衆交易――さまざまな場所で開始された試行錯誤の〈未来〉、四つのスケッチ。

未来バンク、そしてap bankへ カネを用いた「市民活動」の可能性  田中優 41
市民がバンクを持つことは、人権の重要な一つだ――話題の「ap bank」「未来バンク」を貫く思想を、当事者の場所から熱く語る。

コミュニティシネマ、「上映」の場からの〈映画革命〉  岩崎ゆう子に聞く  49
この国の映画上映システムをラディカルに変革する「コミュニティシネマ」の示すものは――川崎発、ドイツ経由の、多くの出会いが生んだ軌跡。

オルター・トレード・ジャパン、「民衆交易」の初志と未来  堀田正彦 56
フィリピン・ネグロスで、「バナナの出会い」から十六年。いま、民衆交易を目指す稀有のリーダーが構想する、明日の「南北共生」、新しい挑戦。

フェア・トレードは未来をひらく魔法の杖か? イギリスから見た成果とジレンマ  市橋秀夫 65

〈緊急報告〉
スリランカ、戦禍と天災に抗う人びと 困窮の民を選んだ津波と和平・復興への道  中村尚司 74
二〇〇四年末、アジアを襲った「スマトラ沖地震」。特に被害甚大だったスリランカでは、民族抗争も複雑に絡み、何が起きていたか――交流四十年の経済学者が描く、第一級のリポート!

〈対談〉
24時間「接続」社会から脱出する方法 ニート竹島ホリエモン騒動から改憲の現在へ  吉岡忍・吉田司 88
改憲を画策する「国民投票法案」上程までカウント・ダウンとなった、この国の状況はいったいどうなっているのか? 抜群の論客二人が苛烈痛快に説く、日本の「いま」!

essay
グリーンコープとネグロスの連帯の原点について  行岡良治 38
街づくり夢基金について  和田千声 72
グロス社会は静かに変わろうとしている  秋山眞兄 86

デザイン覚書0  鈴木一誌 99

『at』0号に書いた/語った人たち 100
編集後記 101