柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

2010-05-01から1ヶ月間の記事一覧

柄谷行人 世界史の構造について 大谷大学

昨日の柄谷行人氏。 今後、交換様式の議論を普遍宗教について展開させて行くようだ。A=呪術 B=宗教 C=世界(帝国)宗教 D=普遍宗教 大谷学会春季公開講演会を開催 http://www.otani.ac.jp/news/nab3mq000000rfku.html池上哲司、柄谷行人両先生の公開…

初めて買った単行本は筒井康隆『エディプスの恋人』だった

東浩紀の『存在論的、郵便的』が新潮から出版された事情は ヤマトのフジテレビでの放映や 筒井康隆の岩波での出版に似ている。 1972年 ドゥルーズ=ガタリ『アンチ・オイディプス』 1974年 テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマト』(よみうりテレビ・日本テレビ) 19…

コメと天皇のDNA

昨日、旭川近郊・東川の農家で稲作作業を見て。 消費者に美味しいコメを届けようという気持ちはあると思うが 苗を田に植える作業は機械的だ。 昔、レンタルビデオ屋で店員がビデオを カゴに無造作に投げるのを見てショックだったのを思い出した (自分は作り…

それ以後の歴史

ハンス=ゲオルグ・ガダマー『科学の時代における理性』 (本間謙二・座小田豊訳、法政大学出版局) 周知のように、ヘーゲルは、定立−反定立−綜合という弁証法的な三段階の歩みを、世界史に即して次のように展開していた。すなわち、彼は世界史を自由の進歩…

1Q84 BOOK 3 〈10月−12月〉 村上春樹 新潮社

第1章 牛河 意識の遠い縁を蹴るもの 第2章 青豆 ひとりぼっちではあるけれど孤独ではない 第3章 天吾 みんな獣が洋服を着て 第4章 牛河 オッカムの剃刀 第5章 青豆 どれだけ息をひそめていても 第6章 天吾 親指の疼きでそれとわかる 第7章 牛河 そち…

運動の始まり

ハンス=ゲオルグ・ガダマー『ヘーゲルの弁証法』(山口誠一・高山守訳、未來社) 運動が、どのように論理学のうちに入ってくるのか、という問いは、この始まりを基にして答えられなければならないであろう。 運動が始まる為にはエネルギーが必要である。 多…

内部から公然と シオニズム批判

■ユダヤ人の起源 シュロモー・サンド〈著〉 高橋武智監訳、浩気社/武田ランダムハウスジャパン・3990円 http://www.tkd-randomhouse.co.jp/books/details.php?id=889■トーラーの名において ヤコヴ・M・ラブキン〈著〉 菅野賢治訳、平凡社・5670円 http://h…

哲学の起源

1884年 エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』 1936年 フッサール「幾何学の起源」 1962年 デリダ「幾何学の起源」序文 1969年 フーコー『知の考古学』 1975年 サイード『始まりの現象』 1980年 柄谷行人『日本近代文学の起源』 1985年 村上春樹『世界の…

探究IV 第1回

ハンス=ゲオルグ・ガダマー『真理と方法II』(法政大学出版局)彼(フッサール)の確信によれば、現象学的還元の超越論的な意味を本当に最後まで堅持し、超越論的独我論といったこけおどしを恐れたりしなければ、これらの逆説はおのずから解消する。いずれ…

構造と力

ハンス=ゲオルグ・ガダマー『真理と方法II』 (轡田収・巻田悦郎訳、法政大学出版局) 事実、個々人の発話は、ひとつの自由な形成行為である。もちろん、その発話の可能性は言語の確定した形態によって制約されてはいる。 この原則によれば、テクストの個々…

ダンスとダンサーは区別できるか?

ガダマー『真理と方法I』(1975年、法政大学出版局) 演劇の上演を演劇そのものから切り離して考えることはできない。 この一節は、ポール・ド・マン=柄谷行人の「ダンスとダンサーは区別できるか」と 同じ事を言っているのではないかと思った。 ポール・ド…

惑星は永久に公転するか

エティエンヌ・バリバール『真理の場所/真理の名前』(堅田研一・澤里岳史訳、法政大学出版局)切断はわれわれに、それらの断絶が決して再び問いに付すことなくつねに前提としていたもの(運動には起源と目的があるという観念、運動の「偶有性」がその原因の…

世界史の構造 柄谷行人

◎『トランスクリティーク』以後の思索の到達点 世界史の全過程を交換様式の観点 から根本的にとらえ直し、人類社 会の秘められた次元を浮かび上が らせた本書は、私たちに未来への 想像力と実践への信頼を回復させ るだろう。理念的であることがそ のまま現…

世界史の終り

柄谷行人は、現在の世界的な資本主義の諸問題を解決出来るのは 国連による世界同時革命であるという。しかし、もし世界同時革命(資本主義の揚棄)が成功した場合、 世界史が終ってしまうのではないか。 問題が解決してしまうのだから。これでは、柄谷が批判…

nationについて

ジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀』(作品社) このような外国企業組織で最も重要なものは、自他ともに「同胞集団(nations)」と認め合い、また居住地の市場都市の政府からも、永住か一時居住に関係なく、「同胞集団」と認められていた在外資本家集団であ…

『世界史の構造』 岩波書店 柄谷行人

6月24日刊 柄谷行人 世界史の構造 http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0236930/top.html http://www.augustus.to/bbs/light.cgi

世界政府の理念

ジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀』(作品社)私は、世界史的分析というブローデルの船から飛び降りずに、そのまま船に乗っていくことにした。世界史の事実の公海を進んでいくことは、ブローデルにしてもらうことにした。そこで、四つの蓄積システム・サイ…

構成と構築

フッサールのconstituteに対して ハイデガーはconstructという用語を使った。 カントの「構成する」は前者なのかもしれない。 エティエンヌ・バリバール『マルクスの哲学』(杉山吉弘訳、法政大学出版局) 結局、マルクスの理解したことは、革命以後の近代的…