柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

2010-01-01から1年間の記事一覧

批評空間は思想書だったか

ルネ・ジラール『身代りの山羊』(織田年和・富永茂樹訳、法政大学出版局)今日流行している理論も、父親殺し、近親姦などに執着する点で、また常套的な告発のもつ欺瞞性に気づいていない点で、依然としてまったく異教的である。 1989年11月 僕が柄谷行人の…

柄谷行人氏(評論家):世界共和国あるいは世界史の構造

http://db.uni-leipzig.de/~ifabdez5/_veranstaltungen/data/dokumente/php20101208105140.pdf http://hungry-derreisende.blogspot.com/2010/12/blog-post_18.html12.18.2010 ライプチヒ『日本近現代思想史を書き直す』第4回――対話・グローバル化時代のマ…

アーカイヴの病

デリダの「アーカイヴの病」は「起源という病」かと思った。 アーカイヴは東浩紀が語る「記録」にもつながるかもしれない。 デリダのダジャレ的考察は ハイデガー、西部邁の語源への関心と異なる。 impression(印刷・印象) pression(圧力) repression(…

キリストとレプリカント

イエスは伝統的なユダヤ教一派のパリサイ派のあり方、形ばかりで内容の伴わない、見せかけの善行を痛烈に批判し、神殿において、暴動を起こすなど、様々な宗教批判を行った。このことは、神殿貴族であるサドカイ派に対する大きな脅威であったため、かれは政…

柄谷行人トークイベント「世界史の構造」

2011年1月18日(火) 14:50〜16:20 近畿大学文芸学部A館301教室 進行:奥泉光 いとうせいこう http://blog.livedoor.jp/u_hagino/archives/1953407.html http://ameblo.jp/heavym/entry-10737671895.html http://d.hatena.ne.jp/knakajii/20110106/p1 柄谷…

千島

千島列島 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E5%B3%B6%E5%88%97%E5%B3%B6 網野義彦『東と西の語る日本の歴史』(講談社学術文庫) ここ(陸奥の十三湊)は、鎌倉幕府の蝦夷管領となる一方、擦文文化といわれる津軽・下北半島から北海道全体に及ぶ独特…

知の森深く分け入る 道を照らす光探して 

書評委員お薦め「今年の3点」 1 トーラーの名において――シオニズムに対するユダヤ教の抵抗の歴史(ヤコヴ・M・ラブキン著、菅野賢治訳、平凡社・5670円) 2 天使はなぜ堕落するのか――中世哲学の興亡(八木雄二著、春秋社・5040円) 3 量子の社…

夷千島王(えぞがちしまおう)

網野義彦『東と西の語る日本の歴史』(講談社学術文庫) しかし近年の研究によって、これまで文字も農業も知らぬ「未開民族」とされてきたアイヌが、活発な交易民として十三世紀以降、北東アジアと本州とを結びつける重要な役割を果たしており、本書でもふれ…

柄谷行人×佐藤優 国境を越える革命と宗教

9・11事件と宗教 反革命の立場から ”アナーキスト”マルクス ソ連崩壊と一九九〇年代 「トランス」の発想 「第三世界」、そして沖縄 「構造」と固有名詞 日清戦争直前と酷似する状況中央公論 2011年1月号 http://www.chuokoron.jp/newest_issue/index.html …

否定的なるもの(通俗的にいえば悪)

ヘーゲル理性の狡知がどういう点にあるかといえば自分自身は過程に入り込まないで、諸々の客体〔人間〕をそれらの本性に従って作動させ、働きつかれさせて、しかもただ自分の目的のみを実現するという媒介的活動にある。この意味で、神の摂理は世界とその過…

「日本国憲法第9条」を実現すること! 柄谷行人・山口二郎

12/9(木) 宇多田ヒカル 横浜アリーナ traveling ♪ズッツク、ズッツクとオリジナルよりかなりクラブ調。 「横浜アリーナ」を歌詞に入れていたが 読経で故人の名前を読む時のようだった。 First Love ピアノと弦だけで聴きたかった。 12/11(土) 中森明夫・…

12月8日 宇多田ヒカル 横浜アリーナ

横浜アリーナ コンサート 「WILD LIFE」8日公演のUstreamによる全世界生中継が決定! 横浜アリーナより生中継 配信日時:2010年12月8日(水)19:00 配信スタート〜終演まで メインチャンネル(700kbps程度のビットレート、PC推奨) http://www.ustream.tv/ch…

12月9日 宇多田ヒカル 横浜アリーナ

12月11日 浅田彰 新宿 12月12日 柄谷行人 静岡 12月6日(月)〜12日(日) レヴィナス「固有名」 レヴィナス、ポワリエ「暴力と聖性」 レーヴィット「ヤーコプ・ブルクハルト」 廣松渉「マルクス主義の地平」を読む。 (来週の今頃には何を読んでいるのだろ…

花の美しさについても同様である

フッサール『間主観性の現象学』第三巻或る際立った第一位的現象様式が、料理の享受を実現させ、それへの熱心な志向を実現させ、それを叶える。花の美しさについても同様である。 小林秀雄「当麻」美しい「花」がある、「花」の美しさといふ様なものはない。…

『幻の男たち』について 浅川マキ・柄谷行人

【初回完全限定】 2011年1月18日発売 「ロング・グッドバイ 浅川マキの世界」 白夜書房 http://www.byakuya-shobo.co.jp/page.php?id=2063&gname=shoseki http://diskunion.net/jazz/ct/news/article/1/19322 atプラス 06第1特集 『世界史の構造』を読む 柄…

「宇宙戦艦ヤマト」と「アルプスの少女ハイジ」の差異について

74〜75年にアニメ「宇宙戦艦ヤマト」はテレビ放映されたが 裏番組に「アルプスの少女ハイジ」があった為 視聴率が低迷し全26話となったという。艦長室とハイジの部屋について。 上記は共に多くの登場人物によってストーリーが進行される 第1艦橋、リビング…

■異質なものの遭遇 新たな意味へ

量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う [著]大澤真幸 講談社・2310円 [評者]柄谷行人(評論家) 朝日新聞 2010年11月21日 http://book.asahi.com/review/TKY201011230140.html 第I部 科学革命以前 第II部 最初の科学革命 第III部 相対性理論の探偵 …

『世界史の構造』余滴

評論家 柄谷行人 文芸評論家 高澤秀次 2010年、柄谷氏は7年がかりの大著『世界史の構造』を完成しました。ここでは、このライフワークの生成過程を間近に見届けてきた高澤氏と共に、本書の内外での反響、さらにはその「余滴」を新たなパースペクティヴのもと…

暴力装置

暴力に実質的に対抗できるのは同等の暴力だけである[4]。つまり、暴力を統制するためにはより強力な暴力、すなわち組織化された暴力が社会の中で準備されなければならない。軍隊、警察がこれにあたり、社会学者のマックス・ウェーバーはこれらを暴力装置と位…

柄谷行人を解体する35

http://mimizun.com/log/2ch/philo/1290929541/ 柄谷行人を解体する35 1 :sengoku38:2010/11/28(日) 16:32:21 0 karataniweb http://www.kojinkaratani.com/ KARATANI-B http://homepage3.nifty.com/karatani-b Google http://www.google.co.jp/search?as_…

佐藤優・柄谷行人 危機の時代のキリスト教

佐藤優(反革命、国益を守る)と柄谷行人(世界同時革命、資本を揚棄する)。 志向は対立するが知的刺激に満ちた対談だったという事だろう。 米ソという2項対立があった為に存在しえた脱構築という遊びと違って。 佐藤「神はかつて天にいた。キリスト教が地…

ここにロードス島あり、ここにて跳べ

hic Rhodus, hic salta 「法螺吹」『イソップ寓話集』(中務哲郎訳、岩波文庫) 宇野弘蔵『価値論の研究』 マルクスの価値論を明らかにするには実は全体系を論じることにならざるを得ない。 廣松渉『資本論の哲学』(平凡社ライブラリー)の冒頭から 対話形…

ブリ=コラージュ

レヴィ=ストロース『神話論理IV−2 裸の人2』(みすず書房)外部からのあらゆる影響にいとも簡単に翻弄されるとともに、自分自身の移り気の犠牲にもなる哲学は、テツガクというより「テツ芸」のような代物に落ちぶれて、先人が築きあげた問題や方法や語彙…

周期的な革命

F・エンゲルスによる註記、K・マルクス『資本論』 (岡崎次郎訳、大月書店) ただ周期的な革命によってしか貫かれることのできない法則というものを、われわれはどう考えればよいのだろうか? シュメール http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A5…

ヤギよさらば

茂原のヤギを近くで飼っている八幡原から 中部のレオパレスに引っ越しました。 7月に旭川に帰省した時、祖母が使っていた 小さな鍋を茂原に持ってきて火を使い始めた(電気だが)。 クロード・レヴィ=ストロース『神話論理IV−2 裸の人2』 (吉田禎吾・渡…

避難所(アジール)

マックス ヴェーバー『古代ユダヤ教 中』(内田芳明訳、岩波文庫) 避難所(アジール)の諸都市もこのレビびとの諸都市の中に数えられる。 「歴史の概念について〔歴史哲学テーゼ〕」『ベンヤミン・コレクション1』(浅井健二郎訳、ちくま学芸文庫) ちょう…

日本の尖閣 海上保安庁

http://www.youtube.com/watch?v=7t1Z7CuFWxI

世界一美しい駅・旭川

マッケンジー・ワーク『ハッカー宣言』(河出書房新社)柄谷はマルクスに由来する所有の問題を理解しているだろう。しかし、エンゲルスに帰する国家所有という回答、そしてマルクスの軌跡すべてに対する歪曲を見逃している。これについては柄谷行人 Transcri…

ダマスコ王国

マックス ヴェーバー『古代ユダヤ教 上』(内田芳明訳、岩波文庫) その時代のパレスティナをめぐる強敵としては、一方ではフェニキアの諸都市があり、またエジプトが衰退していたこの時代に海岸からパレスティナに移住したぺリシテ人があったが、他方では砂…

神的批評 大澤信亮 新潮社

自己を問う、批評の神髄へ――。新潮新人賞受賞作「宮澤賢治の暴力」、話題を呼んだ「批評と殺生――北大路魯山人」を含む、四篇の決定的デビュー作。 自己を問うこと。問われること。他者に開き続けること。開かれ続けること。思考を徹底化・無限化していくこと…