柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

シンポジウム『震災・原発と新たな社会運動』

【第179回新宿セミナー@Kinokuniya】 3.11以後、社会・政治・経済など、あらゆる領域の規範と価値観が根本的な問い直しが迫られている。 現代日本を代表する各分野の理論家が、規範と価値観の問い直しを通じて、新たなプロジェクトと社会運動の指針を探る、…

24日、東京電力前

アリストテレス 役人を籤で選ぶこと、それはまるで船の持ち主が、舵を取る者を必要として、水夫の中でその任務をもっとも巧みに遂行できる者を選ばないで、籤に当たったものがそうしなければならないかのように思って、籤引きをするようなものだ。 ソシュー…

反原発デモ 2011年4月24日(日)

ADO 旭川→羽田 飛行機から三陸、仙台、福島原発が見えたと思う。 渋谷パルコで 廖天其・劉霞編『最後の審判を生き延びて 劉暁波文集』 (丸川哲史・鈴木将久・及川淳子訳、岩波書店)を購入。 反原発デモに参加。 柄谷行人の長池評議会だ。 http://twitpic.c…

フェルディナン・ド・ソシュール

フェルディナン・ド・ソシュール "Notes inedites"言語活動の基盤は名詞によって構成されるのではない。言語的記号は‹それが提示する›……ような一つの概念ではなく、それがむしろ馬や火や太陽のように意味として限定された対象に対応するのは偶然である。この…

反原発デモ 2011年4月24日(日)

「長池評議会」のノボリを目印に集合 会場:芝公園23号地(都営地下鉄三田線 御成門下車5分) 集合開始:2時30分 デモ出発:3時30分 http://www.kojinkaratani.com/jp/ 4/24原発とめよう!東京ネットワーク、集会&デモ http://stophamaokanuclearpp.com/blog…

クローツの世界共和国

アナカルシス・クローツ『世界共和国(レピュブリック・ユニヴェルセル)』(1792年) 私は絶対的な平準化、人類という家族の諸利益を横切っているあらゆる障害の全面的な転覆を提案する。 われわれの人権宣言の中にひとつでもあらゆる人間、あらゆる風土に…

サン=シモン、コントの世界国家

レヴィ=ストロース『野生の思考』 われわれは人文科学の最終目標は人間なるものの構築ではなく、それを解体することであると信じるのだから。 カントは世界共和国は実現困難であるが国家連合を目指すべきであると考えた。 その後、サン=シモンとコントは世…

それは新しい文学なのか 江戸屋猫八百

それは新しい文学なのか 東浩紀「ゲーム的リアリズム」について 江戸屋猫八百 述4 「ソルジェニーツィン試論」から一貫して柄谷行人の陰画(ネガ)でありつづけた東が「近代文学の終わり」(柄谷行人)を意識していないはずがない。 このことを固有名の視点…

トドロフ『絶対の冒険者たち』

ツヴェタン・トドロフ『絶対の冒険者たち』(大谷尚文訳、法政大学出版局)白血病の影響に参ってしまう前の、彼(リルケ)の人生の最後の三年間は、自分が苦しんでいるのは、度を超した恒常的な自慰行為が原因だと確信している。 「大江健三郎の文学を考える…

『自然と人間− いま、世界を考える』柄谷行人

6/18(土)15:30 朝日カルチャーセンター湘南 私は『世界史の構造』で、世界史を自然と人間および人間と人間の交換関係という観点から見ようとした。ただ、最も根源的である自然と人間の交換関係については、あまり論じられなかった。原発震災の下で、あらた…

柄谷行人中上健次全対話 講談社文芸文庫

文学の現在を問う 小林秀雄を超えて 批評的確認―昭和をこえて 路地の消失と流亡 * 中上健次への手紙 柄谷行人への手紙http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=290120X&x=B 世界 別冊 no.816 第3セッション 国家主義と資本主義を超え…

民主主義は物質的成功を羨望する

ツヴェタン・トドロフ『啓蒙の精神 明日への遺産』(石川光一訳、法政大学出版局)それは、あらゆる権力の源は人民に存するのであって、一般意志に勝るものは何も存在しないというものである。全体主義的マルクス主義と西欧民主主義は、物質的成功のみを羨望…

トドロフ『共同生活』

ツヴェタン・トドロフ『共同生活 一般人類学的考察』(大谷尚文訳、法政大学出版局)どんな要求も贈与であることを知るだけでは十分ではない。もし私が他者を全面的に道具化するならば、もし私が他者を直接的な快楽の提供者の役割に還元するならば、まさにそ…

柄谷行人中上健次全対話 文芸文庫

発行年月日:2011/04/08 定価(税込):1,365円 内容紹介 若き日の出会い以来常に世界的視野で表現を続けた批評家と作家の軌跡 一九六八年、遠藤周作が編集長をつとめる「三田文学」編集室に若い批評家と小説家が呼び出された。 この奇蹟の出会いによる鮮烈…

妻を殺す

小島信夫が『小島信夫批評集成5 私の作家遍歴II』(水声社)で トルストイの『クロイツェル・ソナタ』について。 ところが『クロイツェル・ソナタ』のポズドヌイシェフは、じっさいには妻と音楽教師の間には何もなかったのに自分の妄想に動かされて妻を殺す…

アメリカはなぜそう呼ばれるか

アリストテレス 詩(ポエジー)は歴史より気高くかつ哲学的である。 トドロフ『歴史のモラル』(法政大学出版局) コロンブスの書簡にはよく練られたプランを見ることができない。 対照的に、アメリゴの書簡は、彼が一定度の修辞学の教育をうけたことを示し…

夏目漱石はトルストイ以上の事をしていないのではないか。

小島信夫は『小島信夫批評集成5 私の作家遍歴II』(水声社)で トルストイの『アンナ・カレーニナ』について書いている。 女家庭教師との家の中での情事が発覚したあと、一日もあなたといっしょに暮すことなど出来ないといって、家事を放てきし、自分の寝室…

歴史のモラル

ツヴェタン・トドロフ『歴史のモラル』(大谷尚文訳、法政大学出版局)政府が所有する資力(すなわち住民全体から徴収した税金)を核兵器の生産に充当するか、平和的な原子炉(それでもときには人を殺傷することがある)の建設に充当するか、それともいずれ…