柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

歴史のモラル

ツヴェタン・トドロフ『歴史のモラル』(大谷尚文訳、法政大学出版局

政府が所有する資力(すなわち住民全体から徴収した税金)を核兵器の生産に充当するか、平和的な原子炉(それでもときには人を殺傷することがある)の建設に充当するか、それともいずれの選択もがふくんでいるさまざまな危険を前にして、核エネルギーの使用を放棄し、この放棄の結果としての軍事的な従属や経済的な衰弱を甘んじて引きうけるかを決定するのは、ほかならぬ政府――政治の審級であって科学の審級ではない政府――それ自身である。


Bloomberg Businessweek Crisis in Japan