柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

売る立場と買う立場

マルクス『資本論』第三巻(岡崎次郎訳、大月書店) 商品と貨幣とはどちらも交換価値と使用価値との統一物だとはいえ、すでに見たように(第一部第一章第三節)、売買ではこの二つの規定が二つの極に対極的に分かれて、商品(売り手)は使用価値を代表し、貨…

資本論 第二巻、第三巻

マルクス「資本論 経済学批判」(岡崎次郎訳、大月書店)『マルクス=エンゲルス全集 第23巻 第2分冊』 第一巻 第五篇 絶対的および相対的剰余価値の生産 第六篇 労賃 第七篇 資本の蓄積過程『マルクス=エンゲルス全集 第24巻』 第二巻 第二部 資本の流通…

フランスの内乱

マルクス『フランスの内乱』(木下半治訳、岩波文庫)国際労働者協会総務委員会の戦争に関する宣言 ――ヨーロッパおよび合衆国における国際労働者協会委員へ――一八七〇年七月二十三日の第一宣言一八七〇年九月九日の第二宣言国際労働者協会総務委員会の宣言 ―…

タイムカード、5年ぶりか

柄谷行人は以下の引用をしている。革命と反復 序説 at0号 マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日のクーデター』 ヘーゲル『歴史哲学』 エンゲルス『資本論』英語版序文『世界共和国へ』に関するノート(2) at6号 マルクス『ドイツ・イデオロギー』…

交換価値か交換様式か

『資本論』の冒頭は、商品と価値のトートロジーとも思える議論が続く。 経済学というより言語学、哲学的である。以下はエンゲルスの追加だが、交換という言葉によって論旨は明確になるが 議論が凡庸になっているかもしれない。 エンゲルスは人類学の研究もし…

三浦綾子と玉置浩二

この前、三浦綾子記念文学館の前で市内案内図を見て 「氷点」の主人公・辻口陽子の家とされる場所が近く 陽子が神楽農協前のバス停を良く使ったなどを知る。 青バス(道北)か赤バス(電気軌道)か? 安全地帯「じれったい」=布袋寅泰「POISON」 安全地帯「…

資本論

日本語「買う」の語源は「換える」であるらしい。 【買うの語源・由来】 買うの語源は、品物を手に入れたりサービスを受けるために、お金と交換することから、「かふ・かう(交・替・代・換)」と考えられる。http://gogen-allguide.com/ka/kau.html 『マル…

クルドについて

日本=トルコ 朝鮮=クルドという対比が出来るようです。クルド人 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%89%E4%BA%BA クルドの心を歌いたい http://www.nhk.or.jp/asiansmile/onair/20100313.html 1、リアルな友達(現実の) 2、この絵…

共産党宣言

マルクス エンゲルス "DAS KOMMUNISTISCHE MANIFEST" 『共産党宣言』(大内兵衛・向坂逸郎訳、岩波文庫)一八七二年ドイツ語版への序文特にコンミューンは、「労働者階級は、既成の国家機関をそのまま奪いとって、それを自分自身の目的のために動かすことは…

ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日

『マルクス=エンゲルス全集 第8巻』(大月書店)マルクス「ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日(五八)」(村田陽一訳) ヘーゲルはどこかで、すべて世界史上の大事件と大人物はいわば二度現われる、と言っている(五九)。ただ彼は、一度は悲劇として…

一八五〇年九月一五日の中央委員会会議

『マルクス=エンゲルス全集 第8巻』(大月書店)「一八五〇年九月一五日の中央委員会会議(三六六)」(平木恭三郎訳)『宣言』の唯物論的見地の代わりに、観念論的な見地が主張されている。現実の諸関係ではなくて意志が革命の眼目だと主張されている。わ…

革命は同時に勝利しうるか

『マルクス=エンゲルス全集 第7巻』(大月書店) マルクス「フランスにおける階級闘争」(中原稔生訳) フランスでは、正常ならば産業ブルジョアのしなければならないはずのことを小ブルジョアがなし、正常ならば小ブルジョアの任務であるべきことを労働者…

基本的な指導概念、永続革命

基本的な指導概念が間違っていたのだろうか。 マルクスはマルクス主義者ではないそうだが。 『マルクス=エンゲルス全集 第7巻』(大月書店)序文(村田陽一訳) マルクス主義の創始者たちが『中央委員会の同盟員への呼びかけ』のなかで定式化した基本的な…

第六回 長池講義 アジア共同体をめぐって

柄谷行人氏。 今回、以前と比べて、進行役を努めていたのは 新井氏と初対面だったからか。 声も大きく、自身が企画した長池講義へのモチベーションが高く 「世界史の構造」を書き上げ、新しい展開に関心が移っている為かと思う。 トルコでイスラム教徒とキリ…

マイケルは2009年、ロンドンに

マイケル・ジャクソンのTHIS IS ITを 札幌のネットカフェで見た。 http://www.v-ch.com/cx/別のライブ映像をつなぎ合わせていて ボウイのROCK'N ROLL CIRCUS、CASE OF BOOWY、LAST GIGSを思い出す。 (サーカスは布袋寅泰が採り入れている)横浜アリーナで見…

僕は1991年、ロンドンに

廣松渉が『社会主義の根本理念』(情況出版)で 引用している協約は以下のようだ。 『マルクス=エンゲルス全集 第7巻』(大月書店) 革命的共産主義者万国協会(二七六)(村田陽一訳) 第一条 本協会の目的は、人類家族の最後の組織形態たるべき共産主義…

マルクス=エンゲルスの民主主義批判

『マルクス=エンゲルス全集』(大月書店)によれば マルクス=エンゲルスの連名である。 意外にも「権力を国家権力の手中にもっとも徹底的に集中させよ」 と言っている。 また「時を同じくして」を同時革命と解す事もできる。 『マルクス=エンゲルス全集 …

ソ連は「世界共和国」または「国際連合」だったか

レーニンは『国家と革命』(宇高基輔訳、岩波文庫)の中で マルクスの「フランスの内乱」に言及している。 「この最後の条件〔労働の経済的解放〕のもとになければ、コンミューン制度は一つの不可能事であり、一つの欺瞞であったであろう。」〔岩波文庫版『…

マルクス/エンゲルス ドイツ・イデオロギー 廣松渉編訳 岩波文庫

マルクス/エンゲルス ドイツ・イデオロギー フォイエルバッハ、B・バウアー、シュティルナーを 代表者とする最近のドイツ哲学の、ならびに、さまざ まな預言者におけるドイツ社会主義の、批判 廣松渉編訳・小林昌人補訳 岩波文庫[序文] [序論の第一草案…

「視差」戦略的に全面的に再編成

■パララックス・ヴュー スラヴォイ・ジジェク〈著〉 山本耕一訳、作品社・7140円〈評〉柄谷行人 評論家朝日新聞 2010年3月7日

マルクス「ドイツ・イデオロギー」

マルクス「ドイツ・イデオロギー」『マルクス=エンゲルス8巻選集 第1巻』 (マルクス=エンゲルス8巻選集翻訳委員会訳、大月書店) さらにはまた、ただ生産力のこの普遍的な交通が実現していて、このことからそれは一方において「文なし」大衆の現象をあ…

ブントで世界同時革命と言い始めたのは誰か

マルクス=エンゲルス『ドイツ・イデオロギー』共産主義は、経験的には、主要な諸民族が《一挙に》、かつ同時に遂行することによってのみ可能なのであり、そしてそのことは生産力の普遍的発展とそれに結びついた世界交通を前提としている。 sasaki_makoto @d…

永続革命から世界同時革命へ

292 :考える名無しさん:2010/03/03(水) 04:14:06 0 >>283 それは、どんな革命的反乱も、たとえその目標がどんなに階級闘争からかけはなれているようにみえようとも、 革命的労働者階級が勝利するまでは、失敗するほかないということ、どんな社会改良も、 …

ヘーゲル法哲学批判序説・ヘーゲル国法論批判

マルクスは1843年に「ヘーゲル国法論批判」の草稿を書き、 ヘーゲル『法の哲学』第261〜313節を批判した部分が残されているという。 それが『経済学・哲学草稿』のようだ。 "Deutsch-Franzosische Jahrbucher" 『独仏年誌』第一―第二分冊合併号 一八四四年二…

永遠平和のために 哲学的草案

イマヌエル・カント "Zum ewigen Frieden Ein philosophischer Entwurf" 「永遠平和のために 哲学的草案」(一七九五年、小倉志祥訳) 『カント全集 第十三巻 歴史哲学論集』(理想社)永遠平和のために第一章 これは国家間における永遠平和のための予備条項…

永久平和は可能か

『世界の名著 ヘーゲル』(中央公論社)精神現象学 序論 山本信訳法の哲学 藤野渉・赤澤正敏訳第一部 抽象的な権利ないし法 第二部 道徳 第三部 倫理 永久平和はしばしば、人類が近づいてゆかねばならない理想として要求される。こうしてカントは、国家間の…