柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

資本論 第二巻、第三巻

マルクス資本論 経済学批判」(岡崎次郎訳、大月書店)

マルクスエンゲルス全集 第23巻 第2分冊』
第一巻
第五篇 絶対的および相対的剰余価値の生産
第六篇 労賃
第七篇 資本の蓄積過程

マルクスエンゲルス全集 第24巻』
第二巻 第二部 資本の流通過程 エンゲルス編集
第一篇 資本の諸変態とその循環
第二篇 資本の回転
第三篇 社会的総資本の再生産と流通資本の蓄積過程

マルクスエンゲルス全集 第25巻 第1分冊』
序文
  「いろいろな商品種類が個々別々に考察されるならば、そして、各商品種類の価値はその交換価値に等しくなければならず、またこの交換価値はその交換価値はその価格に等しいかまたはそれに比例しなければならないとすれば、あの矛盾」(リカードマルクス的価値法則と均等な平均利潤率とのあいだのそれ)「の解決は不可能である。」
  ロンドン、一八九四年一〇月四日
                                          F・エンゲルス
第三巻 第三部 資本主義的生産の総過程 第一分冊 エンゲルス編集
第一篇 剰余価値の利潤への転化と剰余価値率の利潤率への転化
第一章 費用価値と利潤
第二章 利潤率
第三章 利潤率と剰余価値率との関係
第四章 回転が利潤率に及ぼす影響
第五章 不変資本充用上の節約
第一節 概説
ただ、共同的生産の、したがってまた大規模生産の廃物としてのみ、それは生産過程にとってこのような重要性をもつのであり、引き続き交換価値の担い手なのである。
不変資本が商品の生産にはいるかぎりでは、問題になるのは、その交換価値ではなく、ただその使用価値だけである。
第二節 労働者を犠牲としての労働条件の節約
第三節 発動、伝動、建物の節約
第四節 生産の排泄物の利用
第五節 発明による節約
第六章 価格変動の影響
第一節 原料の価格変動 それが利潤率に及ぼす直接的影響
第二節 資本の増価と減価 資本の遊離と拘束
第三節 一般的例証 一八六一―一八六五年の綿花恐慌
前史 一八四五―一八六〇年
一八六一―一八六四年。アメリカの南北戦争。綿花飢饉。原料の欠乏と騰貴とによる生産過程中断の最大の実例。
綿屑。東インド綿(スーラット)。労働者の賃金への影響。機械の改良。澱粉や鉱物での綿花の代用。この澱粉糊が労働者に及ぼす影響。細番手糸の紡績業者。工場主の欺瞞。
第七章 補遺
第二篇 利潤の平均利潤への転化
第八章 生産部門の相違による資本構成の相違とそれにもとづく利潤率の相違
第九章 一般的利潤率(平均利潤率)の形成と商品価値の生産価格への転化
およそ資本主義的生産全体では、つねに、ただ非常に複雑な近似的な仕方で、ただ永久の諸変動のけっして固定されない平均として、一般的な法則は支配的な傾向として貫かれるのである。
第一〇章 競争による一般的利潤率の平均化 市場価格と市場価値 超過利潤
こういうわけで、このような前提のもとでは利潤率の相違はどうでもよい事情なのであって、それは、ちょうど、今日賃金労働者にとって自分から搾りとられる剰余価値量がどんな利潤率で表わされようとどうでもよいようなものであり、また、ちょうど、国際貿易でいろいろな国民のあいだの利潤率の相違が彼らの商品交換にとってどうでもよい事情であるようなものである。
 それだから、価値どおりの、またはほぼ価値どおりの、諸商品の交換は、資本主義的発展の一定の高さを必要とする生産価格での交換に比べれば、それよりもずっと低い段階を必要とするのである。
すなわち、生産物の商品への発展は、別々の共同体のあいだの交換によって生ずるのであって、同じ共同体のなかの諸成員のあいだの交換によって生ずるのではない、という見解がそれである。
 諸商品が互いに交換されるさいの価格が諸商品の価値とほぼ一致するためには、次のことよりほかにはなにも必要ではない。(1) いろいろな商品の交換がまったく偶然的な交換や単に臨時的な交換ではなくなるということ。(2) 直接的な商品交換が考察されるかぎりでは、これらの商品がどちらの側でも相互の欲望にほぼ一致する割合で生産されるということ。これは相互の販売経験がそうさせるのであり、したがって継続的な交換そのものの結果として生まれてくることである。
 商品と貨幣とはどちらも交換価値と使用価値との統一物だとはいえ、すでに見たように(第一部第一章第三節)、売買ではこの二つの規定が二つの極に対極的に分かれて、商品(売り手)は使用価値を代表し、貨幣(買い手)は交換価値を代表することになる。
 諸商品の需要と供給との関係では、第一に、使用価値と交換価値との関係、商品と貨幣との関係、買い手と売り手との関係が再現する。