柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

交換不可能な生産諸様式

イエスの養父ヨセフも吉本隆明の父も大工であったという。 吉本隆明 実家は熊本県天草市から転居してきた船大工で、貸しボートのような小さな船から、一番大きいのは台湾航路で運送の航海をするような船を作っていた。http://t.co/Tw3f32F6 ナザレのヨセフな…

共同して飲食すること

(マタイ二六章26)、マルコ一四章22、ルカ二二章19〔これを〕取りなさい。これはあなたがたに与えるわたしの体である。わたしを記念するためにこれを取りなさい。 マタイ二六章27〜28、(マルコ一四章24)、ルカ二二章(19)、20同様に酒杯をとって言う。あ…

ヴィリリオは、すべて面白い! あと、キトラーもいけます。

『サミュエル・ベケット!』(水声社) の 木内久美子「演劇の〈今(maintenant)〉を転倒させること」で faint(かすかな)とfantome(亡霊の)が関連あるらしい事が分かり 岡室美奈子「霊媒ベケット」で デリダ『ユリシーズ グラモフォン』 キットラー『グ…

垣口由香「歓待の失敗 『ゴドーを待ちながら』と他者の迎え入れ」

岡室美奈子・川島健・長島確編『サミュエル・ベケット!―これからの批評―』(水声社) にある 垣口由香「歓待の失敗 『ゴドーを待ちながら』と他者の迎え入れ」は カント、バンヴェニスト、デリダが言及した歓待に注目していて刺激的だった。 垣口由香「歓待…

折口信夫「異郷意識の進展」

折口信夫「異郷意識の進展」『折口信夫文芸論集』(講談社文芸文庫)即、出石の神宝を護っている、此民族の中から出た田道間守がときじくのかぐのこのみを将来した南方支那は、出石人の故地であったのである。後の浦島ノ子伝説は勿論、既に田道間守の話にも…

人類史のなかの定住革命

萱野稔人・神里達博『没落する文明』(集英社新書)萱野 農耕の始まりについては、筑波大学の西田正規さんが書いた『人類史のなかの定住革命』という本にも興味深い指摘があります。 この本によれば、定住こそ人類史におけるもっとも大きな革命であり、それ…

個人析出のパターン

柄谷行人氏が言ったように トクヴィルが注目したニューイングランドのタウンシップ (西海岸には存在しなかったという)は イオニアのイソノミアと同様と 考える事ができるようだ。 富永茂樹『トクヴィル 現代へのまなざし』(岩波新書)『デモクラシー』で…

暴力はどこからきたか

萱野稔人・神里達博『没落する文明』(集英社新書)萱野 たとえば、なぜ人類は夫婦のもとで家族という形態をつくるのかという問題について、霊長類学者の山極寿一さんは『暴力はどこからきたか』のなかで、ゴリラやチンパンジーの研究から、子殺しの防止のた…

萱野稔人・神里達博『没落する文明』(集英社新書)

ヘーゲル『歴史哲学講義』世界史は東から西へとむかう。 萱野稔人・神里達博『没落する文明』(集英社新書)神里 ノンフィクション作家のレベッカ・ソルニットさんの『災害ユートピア』が、3・11後、日本でも注目を集めましたが、歴史家の北原糸子さんは三…

秋葉原ワシントンホテルで夕食を

和賀正樹「移動と遊行――中上健次の宗教空間」● 部落寺院(エタ・穢多寺)・・・江戸時代に発生。西本願寺が537寺(近世末)、東が124寺(1922年)。河原門徒。穢僧は本山で剃髪できず。「自剃刀」。学林・学寮で学べず(1783年)。 ※東本願寺・大谷大学。…

折口信夫「沖縄に存する我が古代信仰の残孽(一)」

折口信夫「沖縄に存する我が古代信仰の残孽(一)」 『折口信夫芸能論集』(安藤礼二編、講談社文芸文庫) 沖縄の宗教は、僧袋中の命けて、「琉球神道」と申し候とおり、我が国の固有信仰と全く同一系統に属するものに有之、神道の一分派或は寧ろ、其原始形…

地震と大津波

「別冊太陽 中上健次」中上紀「『鳳仙花』 「路地」に生きた女の肉体と魂の輝き」 また、主人公の人生の大きな節目に、終戦前後に紀州を軒並み襲った二度の地震と大津波が投入される。中上紀「豊穣なる「語り」のイニシエーション 『紀州 木の国・根の国物語…

男と女、五分と五分

熊野速玉大社社務所資料 遠く神代の昔、大和を目指す神武天皇一行が熊野山中で道に迷い、困っておりました。そこに現われた三本足の鳥「ヤタガラス」、熊野権現の使者として天皇に道案内を申し出て、無事一行を大和へ導きました。 中上健次『軽蔑』(集英社…

1日、小田原から新幹線で名古屋に

92年だろうか 札幌で仕事をしていた父の所で 中上健次、熊野大学を語ったり、墓を訪れる 柄谷行人を映した教育テレビの番組を見た。 先週8月2日、名古屋パルコで購入。 AIR JORDAN 11 RETRO WHITE/BLACK-DARK CONCORD 「別冊太陽 中上健次」 「地球の歩き…

中上健次没後20年’12熊野大学夏期特別セミナー「ケンジアカデミア」

柄谷氏が中上作品と幸徳秋水について論じるという事で 大逆事件(明治天皇=父の暗殺計画)=秋幸の父殺し という観点かと予想したがそうではなかった。秋幸は父を殺そうとしたがその父が自殺 =路地を語り続けなければならないのだがその路地が再開発により…

悲劇の誕生

F・ニーチェ『悲劇の誕生』(西尾幹二訳、中央公論社)この夢がどんなに生き生きとした現実性をそなえていても、われわれは、やはりこれは仮象であるという感じをほのかながらいだくのである。 高橋順一「訳注」テオドール・W・アドルノ『ヴァーグナー試論…