柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

個人析出のパターン

柄谷行人氏が言ったように
トクヴィルが注目したニューイングランドのタウンシップ
(西海岸には存在しなかったという)は
イオニアのイソノミアと同様と
考える事ができるようだ。


富永茂樹『トクヴィル 現代へのまなざし』(岩波新書

『デモクラシー』で展開された議論を受け継ぎ、さらに精緻なものとした丸山(眞男)の重要な仕事のひとつが、最初一九六五年に英語で発表された「個人析出のさまざまなパターン」です。ここにもトクヴィルの名前は出てきませんが、丸山は「個人が政治的権威の中心にたいしていだく距離の意識」が遠心的か求心的であるかを横軸に、個々人が「自発的にすすめる結社形成の度合い」を縦軸にして、日本社会の近代化の過程を政治(社会)学の問題として分析しています。