柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

萱野稔人・神里達博『没落する文明』(集英社新書)

ヘーゲル『歴史哲学講義』

世界史は東から西へとむかう。


萱野稔人神里達博『没落する文明』(集英社新書

神里 ノンフィクション作家のレベッカ・ソルニットさんの『災害ユートピア』が、3・11後、日本でも注目を集めましたが、歴史家の北原糸子さんは三〇年近く前にすでに著書『安政地震と民衆』のなかで、まさに「災害ユートピア」という言葉を使って、同様の現象が安政の大地震において出現したことを述べています。

萱野 ドイツ出身でアメリカに帰化した歴史社会学者のウィットフォーゲルも、古代中国で中央集権的な専制国家が成立してきたのは、大規模な灌漑事業をつうじてであったと述べています。