柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

柄谷行人氏(評論家):世界共和国あるいは世界史の構造

http://db.uni-leipzig.de/~ifabdez5/_veranstaltungen/data/dokumente/php20101208105140.pdf
http://hungry-derreisende.blogspot.com/2010/12/blog-post_18.html

12.18.2010 ライプチヒ

『日本近現代思想史を書き直す』第4回――対話・グローバル化時代のマルクス主義

小テーマ:世界共和国vs帝国
 柄谷行人氏(評論家):世界共和国あるいは世界史の構造(1)(英語の講演+日本語のスライド)

1:柄谷氏は大学受験の国語の文章等でお目にかかっているかもしれません。近年いわれる「歴史の終焉」という見方に対し、その見方の超越のためにその元となったヘーゲルマルクスの見方を独自に再解釈・批判していました。そして、世界システム論(ブローデルウォーラーステイン!)にも視野を広げつつ、カントの「永遠平和」、そのための「世界共和国」の構築へと導いていました。現代社会の構造・性質への批判的分析や歴史的事象への目配せなどはさすがだと思いました。マルクス的な「経済=生産・生産構造」という見方に対し、「経済=交通(乗物ではない)・交換」という見方を提示していたのが興味深かったです。ただ、より先の「世界共和国」云々の話では、具体性や現実的可能性を理解することができませんでした・・・。そこに至るには「革命」が必要とのことですが、その「革命」という存在・考え方それ自体が、現代人にとってどこまで定着、現実的なものと意識されているか、ということにも注目する必要があると思われます。