柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

世界史の終り

柄谷行人は、現在の世界的な資本主義の諸問題を解決出来るのは
国連による世界同時革命であるという。

しかし、もし世界同時革命(資本主義の揚棄)が成功した場合、
世界史が終ってしまうのではないか。
問題が解決してしまうのだから。

これでは、柄谷が批判するフクヤマ自由主義による歴史の終り、
マルクスの聖書を元にした
楽園(原始社会)→苦難(資本主義による階級社会)→楽園(共産主義社会)
という歴史観と同じではないだろうか。


ジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀』(作品社)

 彼らは武力、欺瞞、説得によって、新たな中心地に蓄積されている余剰資本を収奪し、そうすることで、真に地球的な世界帝国を形成して、資本主義の歴史に終止符を打つかもしれない。