柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

マラルメ「詩の危機」『マラルメ全集』第二巻(筑摩書房)

sasaki_makoto2007-06-08

 現代における一つの否定し得ない欲望とは、言葉(パロール)の示す二重の状態を、謂わば、それぞれが相異る別個の職権を持つことを考慮して、とでもいう風に、分離するということである。言葉には、一方に未加工の儘の、換言すれば、直接的な状態と、他方には、本質的な状態とがある。