柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

60年安保から全共闘へ 柄谷行人(聞き手・小嵐九八郎)

sasaki_makoto2008-06-03

国家やネーションにこだわる運動がなくていいのか

柄谷行人氏に聞く 60年代・70年代を検証する


六〇年安保闘争には近代日本のあらゆる問題が出てきた
ブントは「昭和三〇年代」に登場した
全共闘は大衆の自然成長性のものすごさを教えた
セクトに入るか、学問をやるか、文学をやるか
一度、マルクス主義運動は死んでいた
ジェンダーやマイノリティーを副次的とする考え方を否定
国家を内部だけから考える発想を捨てるべき
真に独創的であるなら必ず先行者がいる


図書新聞 2008-5-17 2869号



シェルドン・S・ウォリン『アメリ憲法の呪縛』(みすず書房

 モンテスキューは、政治社会とは単一の創設者の手になる構築物ではなく、歴史的に生成してきたものであり、物理的な諸条件(気候や地理)から大きな影響を受けつつ、宗教、道徳、慣習、経済、民法、公法のあいだで長い年月をかけてつくりあげられた複雑な適応関係から成立していると考えた。『法の精神』の主要な標的は専制であった。『法の精神』は、『ペルシャ人への手紙』とともに、近代の政治理論にみられる専制のなかでももっとも首尾一貫したものである。モンテスキューは、かれの時代の君主制国家においては専制が支配的な傾向であると確信して、以下の理論構成で対抗しようとした。すなわちそれは、封建制の確信、ならびにいわゆる中間集団(les puissances intermediaires)において保持されている封建制の慣習から大きな影響を受けた理論構成である。