柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

国家は暴力のみでは成り立たない

sasaki_makoto2009-01-27

姜尚中「解説 闘争はすでに始まっている!」
アントニオ・ネグリ未来派左翼 下』(NHKブックス)

 ここで思い起こされるのは、ドゥルーズ=ガタリが『千のプラトー』で献辞を捧げたピエール・クラストルの『国家に抗する社会』のことである。ネグリがやろうとしていることは、ある意味で、クラストルが南米の先住民社会に見出した「暴力に抗する社会」を、「グローバルな帝国的暴力に抗する社会」として読み替えていくことでもある。社会は暴力なしに自らの力で自らの行く末を決定できるのだ。