柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

革命と引用

ベンヤミン「歴史の概念について」

 フランス革命古代ローマを、流行が過去の服装を引用するように引用した。(I-2, 701)

 ロベスピエールにとっては、古代ローマは、今をはらんでいる過去であって、それを彼は、歴史の連続性から叩きだしたのである。(第十四テーゼ)


ベンヤミン

 ひとつの語を引用するとは、その語を真の名前で呼ぶことなのである。


デリダ「署名 出来事 コンテクスト」『有限責任会社』(法政大学出版局

 引用されることにより所与のコンテクストは破砕され、決して満たされることのない無限の新しいコンテクストが作られる。


ベンヤミン「翻訳者の使命」(IV-1, 13)

 もろもろの言語のあいだの歴史を越えたいっさいの親縁性は、それぞれ全体をなしている個々の言語のどれにおいても、そのつどひとつの、しかも同一のどのひとつによっても到達不可能であり、それら諸言語の志向(Intention)が相互に補い合うその総体においてのみ到達可能なのである。そのめざされているものが純粋言語なのである。


ガダマー "Wahrheit und Methode" 『真理と方法』

 翻訳はいっさいの解釈がそうであるように、明確化することであり、翻訳は色合いを決めねばならない。


三島憲一ベンヤミン 破壊・収集・記憶』(講談社学術文庫

 デモクラシーの国々ほど、戦争にあたって、国家全体が戦争機械となりやすい。

 フランス革命がローマの共和制を目標にしたという歴史的事実をベンヤミンは、過去の中にある今の可能性を引き出すこととして捉える。


共和政ローマ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%92%8C%E6%94%BF%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%9E


ベンヤミン・コレクション 1 近代の意味
浅井健二郎編訳、久保哲司訳 ちくま学芸文庫

言語一般および人間の言語について
ゲーテの『親和力』
アレゴリーバロック悲劇
パリ―十九世紀の首都
セントラルパーク
ボードレールにおけるいくつかのモティーフについて
シュルレアリスム
ベルト・ブレヒト
叙事演劇とは何か
写真小史
複製技術時代の芸術作品
歴史の概念について