季刊at(あっと)9号
―オルタナティブ―
もうひとつの<回路>のために!
南北問題と現代思想をつなぐ
クォータリー「あっと」9号!!
第一特集は「変転の中のバナナと日本人」。
その昔『バナナと日本人』(鶴見良行著)という新書本がバナナを見る目を一新させた。以来、四半世紀の時間が過ぎ、バナナはバナナだけれど、そこに関わる多様な人間たちのあり方が大きく変貌を遂げている。
昭和天皇に戦争責任はあるか
「軍国支配者の精神形態」『丸山眞男集 第四巻』(岩波書店)によれば、
日本軍幹部は、下級兵士の予期しない行動を追認し続け、
敗戦まで軍事行動の計画性も乏しかったという。
昭和天皇に、それほど戦争責任はないのかもしれない。
20日、土浦のWonder Gooで新型PSPが残り3台でした。
夏目漱石『それから』(明治四十二年)
「何故働かないつて、そりや僕が悪いんぢやない。つまり世の中が悪いのだ。もつと、大袈裟に云ふと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ。第一、日本程借金を拵えへて、貧乏震ひをしてゐる国はありやしない。此借金が君、何時になつたら返せると思ふか。……日本は西洋から借金でもしなければ、到底立ち行かない国だ。それでゐて、一等国を以て任じてゐる。さうして、無理にも一等国の仲間入りをしやうとする。だから、あらゆる方面に向つて、奥行を削つて、一等国丈の間口を張つちまつた。なまじい張れるから、なほ悲惨なものだ。牛と競争をする蛙と同じ事で、もう君、腹が裂けるよ。其影響はみんな我々個人の上に反射いてゐるから見給へ。……悉く切り詰めた教育で、さうして目の廻る程こき使はれるから、揃つて神経衰弱になつちまふ。話をして見給へ大抵は馬鹿だから。自分の事と、自分の今日の、只今の事より外に、何も考へてやしない。考へられない程疲労してゐるんだから仕方がない。精神の困憊と、身体の衰弱とは不幸にして伴なつてゐる。のみならず、道徳の敗退も一所に来てゐる。日本国中何所を見渡したつて、輝いてる断面は一寸四方も無いぢやないか。悉く暗黒だ」