柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

中間勢力とは中産階級のことか

sasaki_makoto2009-03-22

ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換』(未來社)

トックヴィルは「中間的権力」(pouvoirs intermediaires)――前ブルジョア的な身分制社会の同業組合的諸権力――や、誕生と教育と資産、とりわけ土地所有とこれに結びついた特権によって「卓抜した、いわば命令する天分をそなえている」家族や個人をその成員として指摘している。

彼(トックヴィル)は旧来の「中間的勢力」の滅亡を歎き、新しい中間勢力を創出して公論を諸勢力の分割と交錯の中へ有効に組みこむことを要求する。だからこそミルは彼に「現代のモンテスキュー」という名を与えたのである。



山下範久『現代帝国論』(NHKブックス)

序章 「新しい近世帝国」の誕生?
I 人類史の中のグローバリゼーション
第一章 超越性なき世界――〈帝国〉から考える
第二章 ポランニー的不安の時代――「大転換」は本当に起きるのか
第三章 「近世帝国」再論――清朝の統治システムに見るメタ普遍性
II ポランニー的不安にどう向き合うか――三つの普遍主義
第四章 国家(リヴァイアサン)の下に集結せよ!――ネオコン周辺の普遍主義
第五章 不安を前提に連帯せよ!――シニカルな普遍主義
第六章 「空虚な普遍性」に耐えよ!――メタ普遍主義
III 帝国の倫理
第七章 「国際社会」とはなにか――現代に蘇るメタ普遍性
第八章 〈戦争〉の時代をどう生きるか――自然と社会の流動化を踏まえて