柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

ドジャー・スタジアムは96年に行きました

堀晄『古代インド文明の謎』(吉川弘文館

アーリヤ人が南ロシアから中央アジアを通って侵入し、インダス文化を滅ぼしたという威勢の良い説、あるいはインダスの退潮期に入り込んできたという折衷案が提示されてきたが、その根拠は言語学の仮説以外には何もないのである。言語の伝播は人間集団の移動を前提にするものでは決してない。政治的、経済的なさまざまな要因が絡んでおり、単純な民族移動説は一九世紀の遺物に他ならない。

ラピスラズリというのはラテン語で「青い石」という意味である。中国語では金青石、金精石、瑠璃と呼ぶ。金というのはラピスの鉱脈の中に黄鉄鉱の斑がはいっているからであり、瑠璃というのはサンスクリット語の「バイドゥリャ」が音訳されたものである。私たちに馴染み深いのは浄瑠璃という言葉であるが、これは中世に牛若丸の病を救った浄瑠璃姫の物語が代表的な語り物だったからである。浄瑠璃姫は浄瑠璃世界(東方浄土)の主、薬師如来の化身とされたのである。