柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

イチローは2001年にヤンキースタジアムで見ました

丸山眞男山之内靖ほか「リッターリッヒカイト〔騎士道精神〕をめぐって」
丸山眞男 話文集2』(みすず書房

丸山 僕がドイツ〔の哲学や社会科学を学ん〕だから言うわけではないんですけれど、〔今は〕猫も杓子もフランスの構造主義で、デリダフーコーラカンでしょう、全部。ちょっとそれはね……。ナチの没落と同時にヘゲモニーがドイツからフランスに移ってしまったのですね。だからさっき、ハーバーマスは二流だと言ったのは、そういう意味なのです。

山之内 つまりフーコーとかドゥルーズというのはもう明らかにニーチェの影響を表に出して、そしてそれを隠しもしないで表にして出す。ドイツは第二次大戦後のナチスの問題があって、ハーバーマスもそうですが、明らかに反ニーチェというのを意識して、逆に片意地を張って、ニーチェを何とか入れまい入れまいとして……。そのことが、先生がおっしゃっている、彼らが二流だという面をある意味で規定してしまっているところがありますね。