柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

小島信夫「米国の偉さと矛盾」

sasaki_makoto2011-07-27

小島信夫「米国の偉さと矛盾」『小島信夫批評集成 1現代文学の進退』(水声社

 多くのアメリカ黒人は、かつて解放された頃、アフリカへ戻ろうとしたが、一部はアフリカにあきたらず、またアメリカにもどってきた。アフリカこそ、彼らの夢の国であり、黒人の歌う歌のいくつかは「天国への道」という言葉を借りてアフリカへの憧憬をうたったのである。しかし、その「天国」よりはアメリカの方が住みよかった。今ではアメリカ黒人はアフリカの黒人の生活程度の低さをけいべつしている有様である。故郷をけいべつしている人達が、現在の自分自身の国の中で、羞恥を感じる、というところに問題がある。


日本の在日韓国・朝鮮人の問題に似ていると思った。