柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

マタイ伝 第二十六章第三七―四三節

(彼は)かくてペテロとゼべタイの子二人とを伴いゆき、憂え悲しみ出てて言い給う「わが心いたく憂えて死ぬばかりなり。汝ら此処に止まりて我とともに目を覚しおれ」少し進みゆきて、平伏し祈りて言い給う「わが父よ、もし得べくばこの酒杯を我より過ぎ去らせ給え。されど我が意のままにとにはあらず、御意のままに為し給え」弟子たちの許に来りその眠れるを見てペテロに言い給う「汝らかく一時も我とともに目を覚しおること能わぬか。誘惑に陥らぬよう目を覚し、且つ祈れ。実に心は熱すれども肉体よわきなり」またニ度ゆき祈りて言い給う「わが父よ、この酒杯もし我れ飲までは過ぎ去り難くば、御意のままに成し給え」また来りて彼らの眠れるを見たもう、是れその目疲れたるなり。