柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

ソニエリはソニー・エリクソン

sasaki_makoto2006-11-15

ジル・ドゥルーズ "Presentation de Sacher-Masoch, -le froid et le cruel-,
avec le texte integral de La Venus a la fourrure"
マゾッホとサド』(1967年、蓮実重彦訳、晶文社

『快感原則の彼岸』で、フロイトは生の衝動と死の衝動、つまり〈エロス〉と〈タナトス〉の違いを明確化している。だがこの区別は、いま一つのより意義深い区別、つまり、死や破壊への衝動それじたいと、死の本能との違いを明確にすることで、はじめて理解されるものである。なぜなら、死と破壊への衝動は、まちがいなく無意識にそなわっている、というより与えられているのだが、きまって生への衝動と混同されたかたちとしてなのだ。

 死または破壊への衝動と死の本能を区別することは、サド的な二つの自然や要素の識別法と緊密に対応しているように思われる。