柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

ナポレオンの弟・ジェロム

sasaki_makoto2007-06-27

フロイト『自序・精神分析』(生松敬三訳、みすず書房

私は自己保存と種族保存とをエロスの概念のもとに総括し、これと、静かに働きつづけている死の欲動あるいは破壊活動とを対立させた。この欲動は、ごく一般的に、生きているもののもつ一種の弾性、かつて存在したが外的な障害によって廃棄されたある状況を回復せんとする衝迫と解されている。本質的に保守的なこの欲動の性質は、反復強迫の諸現象を通じて明らかにされる。エロスと死の欲動の協力と対立ということから、われわれに生命というものの姿が示されることになる。