柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

季刊at(あっと)8号

・ 8号は総力を上げた<フェアトレードの現在>特集です。
第二次大戦後、数世紀来の植民地本国であった欧米諸国で、フェアな南北貿易(トレード)を実行する運動が生まれました。日本でも20年ほど前に誕生し、フェアトレードオルタナティブトレードが近年活況の兆しを見せ始めています。アンフェアは現実が続くかぎり、南北格差解消の理念を現実化しようとする動きは途絶えることはありません。南北の人々の連帯活動報告とその理論を掲載してきた本誌は、公共的議論の素材として利用されることを念願しつつ、雑誌としては類例のない規模でフェアトレードの現在を特集します。
主要な論者は次の通りです。

・ 池上甲一  「フェアトレードのジレンマとその克服」
  辻村英之  「コーヒー危機とフェアトレード
  鈴木 紀  「フェアトレードの分類と課題」
  近藤康男  「ATJと民衆交易の試行錯誤」
  兵藤亜砂  「<認証基準>への上乗せによる第三の道
  内田陽子  「FTSNの歴史・現状・課題」
  中村陽一  「市民的公共圏を基盤とした社会への貢献」
  宇田川妙子 「<市民社会>の領域からみたフェアトレード
 
その他、グローバルビレッジや第3世界ショップなどのフェアトレード団体の紹介など、盛り沢山の内容です。フェアトレードに関心のある方、すでに関わっていらっしゃる方々だけではなく、環境問題や市民運動消費者運動に関心のある人たちに有益な情報・理論が溢れています。どうぞお手にとってお読み願います。

・ 連載陣はこれまでと同じ執筆者です。多方面で論議を呼んでいる柄谷行人さんの「『世界共和国へ』に関するノート(4) 国家の起源」、いよいよ佳境に入った上野千鶴子さんの「ケアの社会学 第7章生協福祉の展開」、鈴木一誌さんの「ドキュメンタリーの視覚2」。
とくに柄谷さんの<国家の起源>はマルクスの価値形態論と同型の論理を国家の起源解明に適用した画期的な議論です。ご注目願います。