それでも僕は
大江健三郎の現在読める初期の作品に
「ソープ」という言葉が時々出てくるが
発表された時は「トルコ風呂」だったのではないかと思う。
「倭」が「日本」、
「支那」が「中国」に変わったように。
と思ったら、「セヴンティーン」で唯一、
台詞に「トルコ風呂」があった。
地の文は全て「ソープ」である。
台詞は書き換えたくないという方針だろうか。
「セヴンティーン」では自涜、
「性的人間」では痴漢を繰り返し描写している。
後者の国会議事堂前駅での痴漢の場面で
千代田線だろうか、丸の内線だろうかと考えながら
地下鉄サリン事件を思い出した。
サリン事件を犯罪やテロと考えたり
麻原彰晃=昭和天皇(神がかった人)と考えても不十分だと思う。
上九一色村のサティアンの仏像の裏でのサリン製造は、
「宇宙戦艦ヤマト」の大和からヤマトへの改造や
ガンダムの工場での製作のようだ。
サリン事件の犯人たちは、地下鉄の車両で
痴漢のように興奮していたかもしれない。