柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

今日も札幌・日本生命ビル

sasaki_makoto2009-02-19

ホルクハイマー、アドルノオデュッセウスあるいは神話と啓蒙」『啓蒙の弁証法』(岩波文庫

 この叙事詩には、あらゆる故郷の前提をなす定住生活が遊牧時代のあとに続いたものとする、歴史の記憶が澱んでいる。もしも定住とともに成立した私有制の確固たる秩序が人間疎外の根拠をなすものであり、この疎外があらゆる望郷の想いとか失われた原初状態に対する憧憬の生ずる源であるとすれば、あらゆる憧憬や望郷の想いの対象である故郷の概念も、また同時に定住と確固たる私有制を手がかりとしてのみ形成されるのである。



定住と農耕ではなく、
私有(エンゲルス)、疎外(マルクス)、
故郷(ハイデガー)、遊牧(ドゥルーズ)の
議論になると退屈してしまう。