柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

クリスマスと貧困

アドルノ 文学ノート1』(みすず書房

 ひとつの大胆な瞑想にしてみれば、ロゴス宗教であるキリスト教を成立させる条件はその素材、つまりパンと葡萄酒なのだ――(ヴァレリー)「パンと葡萄酒が乏しいかあるいは少しもない地方では、この二つを神聖視する宗教は流離の憂き目に逢うように見える。(略)」(「倫理的考察(『ロンブ』)」IV四六五)。


パンと葡萄酒が、言葉(聖書)及び貨幣によって
商品になった(資本主義の誕生)と同時に
貧困が生まれたのかもしれない。


http://www.lukacs-gesellschaft.de/forum/online/bibliographie1.html
http://de.wikipedia.org/wiki/Darmst%C3%A4dter_Gespr%C3%A4che



公開講座 戦後思想を検証する ―吉本隆明柄谷行人
講師 明治大学教授 合田正人

  戦後日本の思想界をリードしてきた指導的思想家として、吉本隆明(1924-)と柄谷行人(1941-)を挙げることについては、二人をどう評価するかは別として、大方の賛同を得られるのではないかと思う。講師自身、大学に入学するために今から35年前に上京して以来、密度は時期によって異なるとはいえ、二人うちいずれかの著作をほぼつねに読書の対象としてきた。しかし、近年様々な形で二人の思想の総括のようなものが試みられているのを目にするとき、果たして彼らの教えを私たちはしっかり受け止めてきたのだろうか。彼らの困難な思索の問題点を摘出し、そこから半歩でも踏み出そうとしたのだろうかとの疑念を感じざるをえない。そこで講義では、「心」「言語」「共同体」の三つにテーマを絞りつつ、吉本と柄谷の思想をできるだけ詳細に検討し、両者からの小径を探ることにしたい。(講師記)

1月15日 講義の概要と狙い、吉本隆明の歩み
2月5日 吉本隆明の三大著作を読む
2月19日 吉本隆明の三大著作を読む(続)、柄谷行人の挑戦
3月5日 柄谷行人の転換
3月19日 吉本と柄谷からの模索

朝日カルチャーセンター・新宿 http://www.asahiculture-shinjuku.com/