柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

「世界史の構造について」 柄谷行人 氏 【評論家】

2010年度 大谷学会 春季公開講演会

2010年5月27日(木) 13:00〜16:10
大谷大学 講堂
.「倫理の場所」 池上哲司 氏 【本学教授】.講演概要
我々が他の人々とともに生きていく限り、かならず倫理というものに出会う。つまり、他の人々との間に生じた衝突や葛藤を解決するために、善とは何か、正しいとは何かと問わざるをえないのである。しかし、その倫理なるものは我々の生全体を覆い尽くすものではないはずである。生における倫理の場所、それを考えてみたい。
.講師紹介
専攻は倫理学。主に現代のドイツ、英米の思想を中心として研究している。人間関係をめぐる諸問題をできるだけ具体的且つ根本的に解くことをめざしている。著書・論文に『叢書《エチカ》3自己と他者』(共著、昭和堂、1994)/「全体主義と個人の倫理」(『岩波講座現代思想』第14巻、1994)/「老い倫理学のために」(『哲學論集』第43号、大谷大学哲学会、1997)/「成人した世界の倫理」(『倫理学研究』第39号、関西倫理学会、2009)などがある。

.「世界史の構造について」 柄谷行人 氏 【評論家】.講演概要
私は「世界史の構造」について考えてきた(岩波書店近刊)。それは、マルクスが社会構成体の歴史を生産様式から見たのに対して、交換様式から見る、すなわち、複数の交換様式の結合体としてとらえるものである。この講演では、それを解説するとともに、特に、宗教や哲学を、交換様式の歴史的な変化という観点から見直す。
.講師紹介
東京大学大学院在学中より評論を発表、以後、群像新人文学賞評論部門、亀井勝一郎賞などを受賞。法政大学、近畿大学教授などを経て、現在、評論家。著書に『定本 柄谷行人集3 トランスクリティーク−カントとマルクス−』(岩波書店、2004)/『世界共和国へ−資本=ネーション=国家を超えて』(岩波新書、2006)/『柄谷行人 政治を語る−シリーズ 60年代・70年代を検証する(1)』(図書新聞、2009)など多数。

問合せ先 075−411−8161

http://www.otani.ac.jp/news/nab3mq000000l6ww.html