柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

クォンタム・ファミリーズ 東浩紀 新潮社

物語外1

 カントは『実践理性批判』で、「君の意志の格率が、いつでも同時に普遍的立法の原理として妥当するように行為せよ」と言った。

第一部
第二部
物語外2

 ぼくたちは世界の終わりに生きる。


J.ハーバーマス『理論と実践 社会哲学論集』(細谷貞雄訳、未來社)

それぞれの実業に従事している市民たちが、交換過程の秩序を維持し、戦禍にそなえて法的共同体を設立するとしても、これをただちに国家と混同してはならない。

さらに、社会と国家構成は人間本然の自然学にもとづかなくてはならないというホッブズの重大な制限を考え合わせてみると、ホッブズが「真理と作為は転換可能なり」という基準を唱えながら、そこからなぜ世界史の哲学ではなく、社会結合の力学が出てきたのかが理解できるようになる。

たとえばオランダ議会のスペイン王権からの離脱にいたった事件などが、それである。

したがって人権の宣言は、万人がその形成に参加する一般意志(volonte generale)の構成と同意義であり、万人はその法律の前で平等でなければならない。