柄谷行人・高澤秀次『世界史の構造』余滴
「世界史の構造」の次は「哲学の起源」のようだ。
柄谷行人は、国家の為の哲学になってしまったプラトン、アリストテレスに対して
それ以前に存在したイオニア哲学(ヒポクラテス、デモクリトス)に注目する事によって
哲学史を転覆させようとしている。
柄谷氏が特に注目しているのはヘロドトスと
アーレントが『革命について』で言及したイソノミアだ。
哲学者、思想家、歴史家という分類をしない。
ブッダ、孔子も哲学者である。
ヘロドトスの『歴史』は人類学である。
原始キリスト教に対して、後世の神学は国家のために作られた
(キリスト教がプラトン、アリストテレスを取り入れることによって)。
日本でも、国家が民衆を支配するために仏教を導入した。
大乗仏教は農民を支配するためのものであり
インドでも仏教が廃れたのではなく農民支配のためにヒンズー教に変質した。