柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

群衆と権力

エリアス・カネッティ『群衆と権力 上』(岩田行一訳、法政大学出版局

イスラム教における群衆の二分法は絶対的である。信者たちと異端者たちとは永遠にひき離され、互いに戦うよう運命づけられている。


ジル・ドゥルーズ、フェリックス・ガタリ千のプラトー 資本主義と分裂症 上』
宇野邦一小沢秋広・田中敏彦・豊崎光一・宮林寛・守中高明訳、河出文庫

エリアス・カネッティは、あるときは対立し合い、あるときは浸透し合う二つのタイプの多様性を区別している。群集masseと群れmeuteという二つのタイプである。カネッティの言う意味での群集の特性のうち、特に注目しなければならないのは、大きな量、構成員の分割可能性および一様性、集中状態、総体の社会性、階層的な方向づけの単一性、領土性または領土化の組織、もろもろの記号の発信、といったことである。