柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

アベルは寄留者

アウグスティヌス神の国(4)」『アウグスティヌス著作集14』(大野春子・岡野昌雄訳、教文館

ところでこの世界の市民(カイン)が生まれた後に、この世界にあって寄留者(アベル)が……生まれた。

そこでカインについては、彼は国を建てたと書かれている(創世記、第四章一七節)が、他方、アベルはいわば寄留者であって国を建てなかった。


冨樫剛「訳者あとがき」ジュパンチッチ『リアルの倫理』(河出書房新社

いずれについても、ジジェク(『否定的なもののもとへの滞留』第3章、『幻想の感染』付録IIIなど)、コプチェク(『根源悪』[Radical Evil]序章――邦訳なし)、あるいは(例えば)柄谷行人の『倫理21』などとあわせて読んでいただけると、面白いのではないかと思う。