柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

『プルードン・セレクション』(河野健二編、平凡社ライブラリー)

プルードン・セレクション』(河野健二編、平凡社ライブラリー

参考文献
『世界共和国へ』柄谷行人著 岩浪新書 二〇〇六年

阪上孝「解説――プルードン思想の可能性」

経済人類学者のカール・ポランニーは『大転換』(一九四四年)で、本来商品でなかった労働・土地・貨幣を擬制商品化することによって成立した自己調節的市場が人間と社会と自然にどれほど破壊的な影響を及ぼすかを説き、自己調節的市場を「悪魔の挽き臼」と呼んだが、今日では事態はそのころよりもはるかに深刻になっている。

そのような試みとして、一九八二年にマイケル・リントンが考案したLETS(Local Exchange Trading System 地域交換取引制度)なる多角決済システムをはじめ、いくつもの地域通貨による流通の組織化が試みられている。

(LETSについては、西部忠「LETSについて」、柄谷行人『原理』、二〇〇〇年、太田出版を参照した。)