柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

女性の優美さについて

プルードン『革命と教会における正義』
プルードン・セレクション』(平凡社ライブラリー

 結婚は、力と優美さ=恩寵という二つの異質な要素の結合である。

まただからこそ、男の方は女が美しく、愛想がよく、言葉巧みで、控え目で、純潔であることを望むのである。

男は、優美さ=恩寵の助けなしには、哲学的にいえば理想なしには何も行いはしないということ、この強力な激励なしには男には勤勉にも、知的にも、威厳ある存在にもならないということ、男は怠惰と愚かさと卑しさのもとでうずくまっていただろうということである。優美さもしくは理想は、男の勇気を養い、男の才能を発展させ、男の良心を強固にする糧である。この崇高な優美さ=恩寵によって、男は恥辱と良心の呵責を知る。

女性と女性が吹きこむ愛とがなければ、理想はありえない。

また男は女性の優美さがなければ、原始時代の動物状態をぬけだすことはなかったであろう。

相互契約の通常の意味と条件とにおいては、双務契約は、つぎのような契約者または交換者、すなわち、その存在においては相互に完全な存在で、その構成においては類似しており、さらにその名にもとでかれらが協同し、かれらのサービスと生産物の交換を取引きする正義によって啓発された契約者または交換者を想定している。