本書が読解の対象とする哲学者スピノザ(一六三二―一六七七)は十七世紀のオランダに生まれた。
デン・ハーグ近郊に移住してからは有名なレンズ磨きの仕事を始める。
スピノザ『知性改善論』
第七十二節
自然におけるどんな球もいまだかつてそのようにして生じたことがない。
第九十六節
もし円が、中心から円周へ引かれた諸線の相等しい図形であると定義されるなら、何人もこうした定義が少しも円の本質を明らかにせず、ただその一特質を明らかにするにすぎないことを見のがさないであろう。
なぜなら、円の中心から円周に向かって引かれたすべての線が相等しいことは、その定義から明晰に結論されるからである。
柄谷行人の最近の文体 http://togetter.com/li/149950