柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

哲学の終り

資本主義は、利潤の発生が継続されなければならない。
その為に安い労働力を求め続ける。
その安い労働力市場も現在、中国からアフリカにシフトしているが
それも20年後には終る。
金利リーマンショック以前から低迷している。
利潤の減少により資本主義は衰退する。

マルクスら19世紀の人々は
近代化と共に石炭を大量消費する産業社会を見て
それが永遠に続くと思っただろうか。

20世紀になり、石炭、石油、原子力と技術革新によって
人間が依存するエネルギー源が変遷し
発生するエネルギー量も莫大になってきた。

石炭、石油、原子力のいずれであっても
通常に使用した場合でも事故が発生した場合でも
物質の変化は不可逆である。

人間がエネルギー源を管理出来ていた間は
資本主義の利潤のように多くのエネルギーを得る事が出来た。

今回の原発事故は人間によるその管理能力の限界を示している。
原発が正常に運転されれば発生するエネルギーは莫大だが
事故が起きれば損失も膨大だ。
資本主義で言う利潤はあるのだろうか。
結果的に利潤が減少して行くならば、資本主義と運命は同じだろう。