柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

夕食後に評論を

マルクスエンゲルス "Deutsche Ideologie"
ドイツ・イデオロギー』(花崎皋平訳、合同出版)

これに対して共産主義社会では、各人はそれだけに固定されたどんな活動範囲をももたず、どこでもすきな部門で、自分の腕をみがくことができるのであって、社会が生産全般を統制しているのである。だからこそ、私はしたいと思うままに、今日はこれ、明日はあれをし、朝に狩猟を、昼に魚取りを、夕べに家畜の世話をし、夕食後に評論をすることが可能になり、しかも、けっして猟師、漁夫、牧夫、評論家にならなくてよいのである。