火の鳥としてのイソノミア
僕は、柄谷行人の『哲学の起源』のように
「アテネのデモクラシーに対して
イオニアにはイソノミアと言われる個人の自由があった」
と主張する事は困難だと思っている。
以前、キューブリックが各時代を描いた作品群
『スパルタカス』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』などが
手塚治虫の『火の鳥』シリーズのようだと思った事がある。
ヘロドトスは小アジアのハルカリナッソス出身だが
イオニアの強い影響があったと言えるのだろうか。
カール・ポパーは『開かれた社会とその敵』において、イソノミアという概念を使っている。彼によれば、イソノミアは次の三つの原理にある。(1)出生、血縁、富などの自然的特権を認めない、(2)個人主義的である、(3)市民の自由を保護することが国家の任務であり目的である。