柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

火の鳥としてのイソノミア

僕は、柄谷行人の『哲学の起源』のように
アテネのデモクラシーに対して
イオニアにはイソノミアと言われる個人の自由があった」
と主張する事は困難だと思っている。

以前、キューブリックが各時代を描いた作品群
スパルタカス』『2001年宇宙の旅』『アイズ・ワイド・シャット』などが
手塚治虫の『火の鳥』シリーズのようだと思った事がある。

柄谷行人にとってのイソノミアは「火の鳥」のような気がする。

ヘロドトス小アジアハルカリナッソス出身だが
イオニアの強い影響があったと言えるのだろうか。


柄谷行人『哲学の起源』(岩波書店

カール・ポパーは『開かれた社会とその敵』において、イソノミアという概念を使っている。彼によれば、イソノミアは次の三つの原理にある。(1)出生、血縁、富などの自然的特権を認めない、(2)個人主義的である、(3)市民の自由を保護することが国家の任務であり目的である。