柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

木満致は蘇我満智だろうか

日本書紀 巻第十 応神天皇

 二十五年(294年)百済の直支王が薨じた。その子の久爾辛が王となった。王は年が若かったので、木満致が国政を執った。王の母と通じて無礼が多かった。天皇はこれを聞いておよびになった。
 ――百済記によると、木満致は木羅斤資が新羅を討ったときに、その国の女を娶とって生んだところである。その父の功を以て、任那を専らにした。我が国(百済)にきて日本と往き来した。職制を賜わり、わが国の政をとった。権勢盛んであったが、天皇はそのよからぬことを聞いて呼ばれたのである。


木満致は蘇我満智と同一人物であるという説がある。

武内宿禰蘇我石川宿禰―満智―韓子―高麗―稲目―馬子―蝦夷―入鹿


しかし、同じく日本書紀蘇我満智として記述がある。
上記、応神二十五年の「天皇はおよびになった」は
日本に呼んだという事のようなのだが。


日本書紀 巻第十二 履中天皇

 二年(401年)春一月四日、瑞歯別皇子を立てて皇太子とした。冬十月、磐余に都を造った。このとき、平群木菟宿禰・蘇賀満智宿禰・物部伊呂弗大連・円大使主らは、共に国の政治に携わった。


アンチ・オイディプス草稿 ガタリ 國分功一郎・千葉雅也訳 みすず書房・6090円 http://www.msz.co.jp

精神分析から分裂分析へ。世紀の書を編みあげた共同作業の内側から思考の生成過程を開示する。


朝日新聞 2010年1月31日 http://book.asahi.com/

■留まれ、アテネ ジャック・デリダ 矢橋徹訳、みすず書房・3570円

 写真家ボノムの廃墟と日常が入り交じるアテネの写真を携え、「光に満ちた記憶庫」アテネを縦断した哲学者デリダ(1930〜2004)に「死のように唐突に」浮かんだ謎めいた警句「私たちは自らを、死に負っている」。この一文と写真と死について「翻訳不可能」などの観点から重層的に考察、刑の執行が遅れ「死を待つソクラテス」の夢と「遅延」などの概念を重ねつつ哲学による救い、音楽に思いをはせる。「あらゆる写真は、太陽に属している」など、詩人のような語り口も晩年を生きる哲学者の中で輝き、思索の痕跡がたどれる刺激的な写真論だ。


■死刑の基準 「永山裁判」が残したもの 堀川恵子 日本評論社・2635円


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マルクスエンゲルスの革命論にはじめて本格的な研究のメスを入れた労作。雑誌連載を整理・補筆し、補論・補章など新たな論点を書き加えた。下巻は2月初旬発売


クォンタム・ファミリーズ 東浩紀 新潮社・2100円


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2003年4月7日アトム誕生、その日世界は「戦時下」にあった。


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朝日新聞 2009年8月2日

●続 明暗 水村美苗 ちくま文庫・882円

夏目漱石の死により未完だった「明暗」を、文体も擬して引き継いだ。妻お延には内密に温泉場で清子と再会した津田。漱石批評の一手法として小説を「完結」させ、話題を呼んだ著者のデビュー作。お延の決意がたくましい。

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著者は88年から1年、08年7月から9カ月、ともに世界史の転換期に米ニューヨークで暮らし、加えてオバマ大統領と同い年。「唯一超大国」からの米国の自滅、自立できない日本の堕落に思いを致す。マクロ的見方とミクロなこだわりの直結が21世紀的か。