柄谷行人を解体する

批評家・柄谷行人を―カント、マルクスを視軸にして―読む

聖と俗は対立するか

ジャック・ランシエール『感性的なもののパルタージュ』(梶田裕訳、法政大学出版局

 つまり、「聖なるものの世俗化」という、物事を歴史のなかで捉える図式と、使用価値の交換価値への変容という経済的図式である。


一般に聖なるものは俗なるものと対立すると考えられる。
しかし近代以降、芸術作品の価値はその価格で語られている。
聖なるものほど、値段という俗な表現がされるという訳だ。
でもあまりに高額だと世俗的でもない。
ランシエールはやはり、現在の絵画・写真・映画という芸術が
複製によって世俗化される事を言っているのだろう。


田中美絵子 http://www.tanakamieko.jp/category/blog/